どうかこの言葉を

 どうして伝えたい人に伝えたい言葉をいえないのだろう


 季節を重ねるごとに君を思い出す
 君への想いを
 僕のなかにあって時折、主張する
 あの想いだけは
 いつまでも色あせずに


 小さなエピソードは
 僕のなかで輝きとあたたかさを纏い
 そっと雪のように降り積もったまま
 ましてそれを片付けることなど
 僕に出来るわけもなく


 どうかこの言葉を君に伝えたい
 そこから始まるのか終わるのかは
 分からないけれど
 僕はもう後悔をしないために
 そしてこの想いを留めぬように
 どうか…



 君に会えるかもしれないって
 何度、期待して会えなくて落ち込んで
 密かに待つだけの運任せの片恋は
 叶うのを待ちすぎていた


 きっかけなど些細なこと
 それほどまでに素直な恋だったはずなのに
 臆病が邪魔をして踏み出せないまま
 想いがひとつ、残って
 僕自身もそこに留まっていた


 どうかこの言葉を君に伝えたい
 ただ純粋に君を想う気持ちを
 拒絶されることは今でも怖いけれど
 もう自分に嘘はつかずに
 君に言いたい


 たとえば君を想えばもう一つ前へ進めること
 君の声が胸で響けばどんなときも笑顔になれること 
 

 どうかこの言葉を君に伝えたい
 そこから始まるのか終わるのかは
 分からないけれど


 君がすきです


 たとえ悲しい結末を迎えても
 この言葉だけは明日君に伝えたい