哀愁の雨

 今日は小説ほどは長くなく詩としては少し長い短篇のお話を。


 雨が降っている。

 私は首元に張り付く髪をかきとりながら…

 私の中の罪が洗い流されるのを待って



 力になりたかった。

 上手く事が運べばいいと…

 ただ、子供のような純粋さで


 お節介


 おまえなんかが何かを起こせるわけでもないのに。


 雨が降る。

 哀愁の雨

 きっと彼女は二度と私に相談なんてしない。

 それが、


 とても


 哀しいだなんて


 私もどうかしてるけど。


 この雨の冷たさを

 この痛みを


 肌に刻めば…


 いつか青空に戻ったときに


 雨の匂いを纏わせながら、

 そう

 消えない匂いを纏わせて

 それでもいつか

 また笑ってくれる気がして。





 雨が降る。


 二度と止むことはない。