届け物

 すっごく久しぶりの詩を。


 私はリズムをとりながらしっかり歩いている。


 風は髪をふくらませてなびかせて
 鼻先にやわらかく触れた桜は
 君の優しさに似ている


 私は笑って見えない空に手をのばしてる。


 一目ぼれしたスカートをはいたりして
 違う自分になったように思う私は
 きっとどんな奇蹟もおこせる


 たとえばね


 ほんと、久しぶりに君に会っちゃうとか
 いつもよりスムーズに電車にのれるとか
 みんなに笑顔で挨拶できるとか


 そんな嬉しいこと、たくさん。


 私はハミングしながら散歩途中の犬に手を振っている。


 君の優しいとこ
 君のちょっととぼけたとこ
 君の真っ直ぐなとこ
 君の不器用なとこ


 ぜんぶ、ぜんぶ素敵だよ
 みんな、みんな大好き!


 だから君にこの届け物
 今年こそは会えるように

 なぁんて願いをこめて


 今、空に放そう
 春、素敵な事がおこる
 私はきっとどんな奇蹟もおこせる